完璧主義は自己効力感が低い!? 2つのフォーカスとは?
契約までもう一歩というところで、チャンスを逃してしまう。
そんな経験はありませんか?
自己効力感が高ければ、あと一押しができたかもしれません。
今回は、もう一歩を踏み出せない理由と自己効力感をアップさせる方法についてお伝えします。
・テストで90点をとったらどう感じる?
あなたは100点満点のテストで90点をとりました。
そのとき、どのように感じますか?
「90点もとれた!」と考える人は、「促進」に焦点が当たっています。これを「促進フォーカス」といいます。
促進フォーカスとは、進歩や達成に興味が向いている状態です。
この傾向がある人は、次回のテストでも高得点をとるために勉強に励みます。
同じように90点をとっても、「10点足りなかった」と感じる人もいます。
足りない部分に焦点が当たることを、「抑止フォーカス」といいます。
抑止フォーカスが働くのは、失敗回避欲求が高まっているときです。
この傾向がある人は、「悪い点をとらないように」と考え、慎重に解答するという特徴があります。
・どちらのフォーカスのほうが良い?
促進フォーカスと抑止フォーカスの違いは自己防衛のやり方にあると、心理学者のヒギンスは言いました。
促進フォーカスの傾向が強い人は、「こうありたい」という理想を持っています。そして、理想に向かって努力します。
目標達成のために失敗を恐れずに行動するため、自己防衛への意識は低めです。
自己効力感が高めの人は促進フォーカスの傾向があり、また行動することで自己効力感がさらに上がるといえます。
抑止フォーカスの傾向がある人は、「こうあるべき」という考えが強めで、失敗やミスをしないように注意を払います。
完璧主義な人、責任感が強い人、リーダーなどの役職や役割を与えられている人などは、促進フォーカスよりも抑止フォーカスが働きやすくなります。
慎重に考えて行動するので失敗が少なく、謙虚な姿勢が好印象を与えます。
しかし、物事がうまくいかないと自信をなくしてしまい、自己効力感が低下してしまう恐れがあります。
・「もう一歩」のチャンスをつかむためには?
どちらのフォーカスが良いというわけではなく、価値観や性格、または役割によってフォーカスする部分が変わることもあります。
ただ、抑止フォーカスが強くなると、あと一歩というところまできたのに諦めてしまうことも……。
たとえば、クライアントへの提案で、「一点だけ改善してほしい」と言われたとします。
抑止フォーカスが強い傾向がある人は、「完璧にできなかった」と思ってしまいます。
そんなときは、クライアントからOKをもらった部分(=テストでいうと90点の正解部分)を認識することが大事です。
そのうえで、改善点(=残り10点)についてどのように取り組むのか、周りの人と一緒に考えるといいでしょう。