人間関係で自己肯定感が下がる理由と対策とは?
職場の上司や先輩、取引先の人などとの関係が自己肯定感を下げることがあります。
よく関わる人だからこそ、その人の言動がストレスになったり、自己肯定感に影響を及ぼしたりするのです。
今回は、人間関係によって自己肯定感が下がってしまう理由と対策についてお伝えします。
・苦手意識を強化する「確証バイアス」とは?
確証バイアスとは、自分が持っている先入観や仮説を正しいものだと証明するために、自分にとって都合のいい情報ばかりを集めてしまう傾向をいいます。
たとえば、あなたが上司に叱られたのをきっかけに、その上司を「怖い人」とか、「自分のことを否定する人」だと思ったとします。
その上司に再び叱られると、「やっぱり否定された」と感じます。上司から褒められたとしても、「自分のことを否定する人」という仮説を実証するために、褒められた事実は無視してしまいます。これが確証バイアスです。
そのため、叱られたことや否定された言葉だけが心に残り、苦手意識が強化されるのです。
・なぜ、思い込みを修正する必要があるのか?
誰かに嫌われている、人格や能力を否定されたという経験や思い込みによって、自己肯定感が下がってしまいます。
それが目上の人や自分よりも強い立場の人(取引先、顧客など)の場合はなおさらです。
確証バイアスがかかることによって、その人の言動や態度のマイナス面が際立ちます。すると自己肯定感が下がり、「自分はダメな人間だ」と思うようになります。
「新しい提案をしても否定されるだろう」と思い、気力がなくなっていきます。無価値感、無気力感が続くのは、抑うつ状態の特徴です。
この状態が続くとうつ病になる可能性が高くなるので注意が必要です。
ですが、相手は本当にあなたの存在や言動を否定しているのでしょうか?
・確証バイアスを検証して、自己肯定感を上げる方法とは?
「これは自分の思い込みなのではないか?」と疑うことが、確証バイアス検証の第一歩です。
そして、上司や先輩などの言動をよく観察します。
たとえば、あなたが朝の挨拶をしたら挨拶を返してくれる、指摘されたミスを修正したら褒めてくれたというように、相手が自分に対してとった行動をメモしておきます。
また、自分以外の人にどのような接し方をしているのか観察するのも有効です。ほかの人もミスを叱られているなら、あなたが嫌いだからあなただけにきつく当たっているわけではないことがわかります。
思い込みを修正することで、その人と接するストレスが軽くなるはずです。「自分には価値がない」という思い込みがなくなれば、自己肯定感も自然と高まっていきます。
いつも顔を合わせる人との関係で悩むのは、とてもつらいことです。まずは自分の思い込みを検証して、相手へのアプローチを変えてみましょう。