責任感が強い人ほど自己肯定感が下がりやすい!? 理由と対策とは?
責任感を持って仕事や物事に取り組む人は、周囲の人から信頼されます。
ところが、そんな頼れる人の心がポキッと折れてしまうことがあります。
実は、責任感が強い人は自己肯定感が下がりやすいからです。
今回は、責任感が強い人と自己肯定感の関係、そして肯定感を下げないための対策をお伝えします。
・責任感が強い人の自己肯定感が下がりやすいのはなぜ?
責任感が強い人は、頼まれた仕事を完璧にこなそうとします。それだけでなく、周りの人が困っているときや相談を受けたときに、親身になって解決方法を考えようとします。
また、責任感が強い人は、自分が受け持つ仕事や課題だけでなく、他者の問題に対しても責任を感じます。「自分がなんとかしなければ」という気持ちが働くため、他者を優先することも。
それが失敗したときに自己肯定感が下がります。責任感が強い人は、「自罰傾向」にあるからです。自罰とは、自分を罰する、自分を責める心理のことをいいます。
何かトラブルや失敗が起きたときに、「自分のせいだ」と考えます。自分の仕事だけでなく、他者の相談や仕事に関しても責任を感じるため、自分を責める機会が増え、自己肯定感が下がってしまうのです。
・自己肯定感が下がらない考え方! 「課題の分離」とは?
アドラー心理学に、「課題の分離」という考え方があります。これは、自分が置かれている環境で起こるさまざまな出来事を、誰の課題なのか仕分けることを指します。
課題を分離することは、責任感が強い人のオーバーワークや自己肯定感の低下を防ぐ働きがあります。
人から何かを頼まれたときに、「これは誰にとっての課題なのか?」と問いかけます。「本当に自分がやらなければならないのか?」と考え、相手の課題である場合は自分から切り離します。
そうしてすべて自分に責任があると考えずに、客観的に物事をとらえることで行動や選択が変わります。
・「課題の分離」で人間関係が良くなり、ストレスが軽くなる!
トラブルが起こったときは、「これは自分が悪いのだろうか?」と考えます。
これは責任を誰かに押し付けるということではありません。
「自分が悪い」という感情を切り離すことによって、トラブルの原因が明らかになり、冷静に対処できます。
また、すべて自分に責任があると考えると、同じようなトラブルが起こったときにほかの人が対処できません。周りの人と情報を共有することにより、助け合いができるようになります。
ひとりで問題を抱え込むと時間と労力がかかり、ストレスも大きくなります。その苦労を周りの人に気付いてもらえず、孤独を感じることもあるでしょう。
ですから、課題の分離をして、まずは自分の課題を優先しましょう。相手の課題にまったく触れないのではなく、「これくらいなら手伝える」というように提案することで、周りの人とのコミュニケーションも増えます。周りの人が受け入れてくれたことも自己肯定感アップにつながりますよ!