自分の心が見えてくる、「コラム法」とは?
「最近、元気がないな」というときに、自分で心や状況を整理できる方法があります。
それは、認知行動療法で取り入れられている「認知再構成法(コラム法)」と呼ばれる方法です。
今回は、コラム法の書き方について解説します。
・「認知」を再構成するとはどういうことか?
ある出来事が起こったときや、ある状況に置かれたときに、人によってその状況のとらえ方が違います。
たとえば、仕事で上司に叱られたときに、「自分が悪いからだ」と考える人もいれば、「上司の機嫌が悪かったから八つ当たりされた」と感じる人もいます。
この違いは、「認知」によるものです。
抑うつ状態になると、物事に対するとらえ方が悲観的になりがちです。
だからこそ、今の自分がどのように物事をとらえている(認知している)のか知ることが大事なのです。
そのうえで認知を再構成することで、必要以上に自分を責めたり、悲観的になったりせず、フラットに物事を見られるようになります。
・コラム法(認知再構成法)で書き出す7つの項目
コラム法は出来事や状況を振り返りながら自分で書き出すか、カウンセラーなどと話しながら項目を埋めていきます。
- 状況 今の自分が置かれている状況やストレスを感じた出来事について書きます。
- 気分 1の状況での気分を書き出します。まずは気分を書き出して%で表します。
- 自動思考 ある状況や出来事(1)が起きたときに、2のような気分になる元の考えを「自動思考」といいます。
- 根拠 3のように考える根拠を挙げます。
- 反証 4に反論して、事実かどうかを検証していきます。
- 適応的思考 しなやかで現実的な考えを適応的思考といいます。
- 今の気分 根拠や反証を経て適応的思考にたどりついた後の気分と2の気分を比べます。
(例)仕事でミスをして上司に叱られたなど
(例)不甲斐ない(50%)、悔しい(20%)、怒り(10%)、驚き(10%)、悲しい(10%)など
たとえば、ミスをした(1)のは、自分に能力がないから(自動思考)、不甲斐ないと思う(2)というように考えます。
(例)以前も同じようなミスをしてしまったから、上司に叱られてばかりだからなど
(例)ミスが続いたからといって能力がないわけではないのでは? 上司から褒められたことは1回もなかった?
(例)ミスをしたから上司に叱られた(1)けれど、うまくいったときは褒めてくれたこともある(5)。
だから、同じ失敗をしないように今回のミスを次に活かそう!
少し気分が楽になった、前向きになれたといった気分になることもあれば、スッキリしない、なぜ自分だけが叱られるのか納得できないといった気分になる場合もあります。
・コラム法の活用の仕方とは?
まずは状況や自動思考、気分などを客観的にとらえることが大事です。
適応的思考を取り入れようと無理をするのではなく、今の気分を知り、尊重するようにしてください。
それが、自分自身の心を大切に扱うことになるからです。