「気分」をヒントにして信頼関係を築く方法

部下のやる気を起こさせるために声をかけたり、アドバイスをしたりしたのに、かえって関係が悪くなってしまった。

そんな経験がある人は多いのではないでしょうか?

年齢が離れている、付き合いが浅い、お互いの性格の違いなど、すれ違いが生じる理由はさまざまです。

今回は、部下の性格や気分を読み解くヒントについてお伝えします。

・同じ出来事が起こっても、気分によって受け止め方が違う

人によって性格や価値観が違うので、同じ状況でも行動や考え方が違うのは当然のことです。

その人の考えや感じ方を確認するためにもコミュニケーションをとることが大事ですが、部下のひとりひとりと深い話ができる機会は限られていますよね。

そんなときは、相手の「気分」に注目しましょう。


自分自身が「幸福」か「不幸」かによって、他者に対する感情が変化することが、心理学の調査でわかりました。

ここでいう他者とは、身近な人だけでなく、ニュースやドラマ、映画の登場人物などを指します。

・他者への反応でわかる、その人の「気分」とは?

それでは、4パターンの共感について解説します。

1.自分が幸福 × 他者も幸福
他者の幸福に共感し、「良かった」と素直に感じられます。

2.自分が幸福 × 他者が不幸
他者が不幸になることに喜びを感じます。
自分が手を下すことなく他者が不幸になったり、失敗したりすると喜びを感じることを、「シャーデンフロイデ」といいます。

3.自分が不幸 × 他者が幸福
「自分は不幸なのに、あの人は幸せだなんて・・・・・・」という気分になります。
良い知らせに対してショックを示したり、憎いという感情を抱いたりします。

4.自分が不幸 × 他者も不幸
相手と同じ状況ではなくても、負の感情に共感を示し、悲しい気持ちになります。

・部下の気持ちに寄り添う、上司の共感力とは?

共感とは他者と同じ気持ちになることではなく、他者の気分を感じ取り、感情面で影響を受けることをいいます。

その人の気分を知るために、朝礼やミーティングのアイスブレイクとしてニュースを取り上げ、ひとりずつ意見を述べてもらうといいでしょう。


たとえば、大手企業が赤字になり、多くの人がリストラにあったというニュースがあるとします。

それに対して、「大手企業だから、今まであぐらをかいていた」と言う部下は、自信にあふれ、精神的に満たされている状態(自分が幸福×他者が不幸)なのかもしれません。

反対に、「従業員やその家族がかわいそう」と悲しむ人は、仕事やプライベートで悩みがあるということも(自分が不幸×他者も不幸)。
部下の気分や状態を知るためには、どのような意見であっても否定せずに耳を傾けることが大事です。

発言で気になる点があれば、「どうしてそう思うのか、もう少し詳しく話してくれる?」というように、相手の意見を掘り下げる質問をするといいですね。

信頼

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