ストレス耐性をつける部下の指導法
ストレスに強い人もいれば、弱い人もいます。
真面目で優秀な部下が、ストレスで心身のバランスを崩してしまった・・・・・・という経験があるリーダーも多いのではないでしょうか?
仕事で失敗しても気にしない人もいれば、落ち込んでしまう人がいるように、ストレスの感じ方は人それぞれです。
今回は、部下のストレス耐性をつける指導法についてお伝えします。
・こんなときは黄色信号! 叱られたときの反応を見る
部下を叱ったときに、必要以上に責任を感じる、自分の能力がなかったと考えるといった傾向がある人は、気にかけたほうがいいですね。
というのも、自分を責める傾向がある人は、抑うつ状態になりやすいからです。
一方、反論する、機嫌が悪くなる、奮起して意欲的に仕事に取り組むといった人は、それほど心配しなくてもいいタイプです。
反論するのは、「自分は悪くない」と思っているからです。それは、自信や自己肯定感の表れだといえます。
・自分を責めると、仕事がうまくいかなくなる理由
ドイツの大学で行われた、脳に関する研究があります。
被験者に、「自分自身を尊敬できるか?」や、「自分に対してマイナスな感情を抱くことがどれくらいあるか?」といった質問をして、どれくらい自分を責める傾向があるのか調査しました。
脳のMRIデータと質問の結果を照らし合わせたところ、自分を責める回数が多い人ほど、脳の一部が小さくなっていることがわかりました。
ストレスによって、感情のコントロールや集中力を司る機能が低下していたのです。
つまり、自分を責めるクセがあると、集中力が落ちてしまいます。すると、「集中できない自分」を責めるようになり、悪循環に陥ってしまうということです。
・ストレス耐性をつけるチャンスは、失敗した直後!?
自分を責める人に見られるのは、「認知の歪み」です。
ほかの人やクライアントのミスだったり、偶然が重なって悪い結果になったりした場合も、「自分に責任がある」と考えてしまうのが認知の歪みです。
認知を修正するためには、失敗が起こった理由や経緯を、その人と一緒に検証するといいでしょう。
客観的に検証すれば、「自分だけが悪いわけじゃないんだ」と気づかせることができます。
また、些細なミスであれば、「すぐにできる前向きな努力」をさせるのが効果的です。
たとえば、仕事に関する専門書を読む、問題集を解く、デスクの整理整頓をするといったことです。
少しでも前に進めるような行動をとることで、失敗に対するネガティブな感情が薄れて、自分に自信が持てるようになります。
自分を責めないこと、自信を持つことの両方が、ストレス耐性につながるということです。
「気にしないで」と慰めたり、「自信を持って!」と激励したりしても、すぐに考え方が変わるわけではありません。
こうした行動の積み重ねが自信につながるので、部下の話を客観的に聴き、ポジティブな感情になれる課題を出しましょう。