研究者肌の部下をリーダーに育てる方法

良いリーダーになる人材を育てるのは、上司の重大な仕事です。

以前、部下の個性を引き出すコミュニケーション術として、セルフモニタリングが高い人と低い人の特徴を紹介しました。

(コラム)部下の個性を引き出すコミュニケーション術


アメリカのパーソナリティー特性の研究では、セルフモニタリングが高い人の方が出世しやすいといわれています。

ですが、セルフモニタリングが低いからといって、リーダーになれないというわけではありません。

今回は、セルフモニタリングが低い部下をリーダーに育てる方法をお伝えします。

・個性を尊重しながら、リーダーとして目覚めさせる

セルフモニタリングが高い人は、自分自身や周りの人、状況などを客観的にとらえる能力に長けています。

トラブルが起こったときも客観的に判断し、臨機応変に行動できます。

この柔軟さが、出世につながっているということです。


一方、セルフモニタリングが低い人は、自分自身の内側に関心を示すため、状況判断が苦手なところがあります。

ただ、探究心旺盛、集中力が持続する、信念を持って仕事に取り組むといった長所があります。

研究者肌だといえますが、誠実で信頼されるリーダーになる素質は十分に持っているのです。

・頑固な人が柔軟に考えられるようになるには?

セルフモニタリングが低めの人は、状況や相手に合わせて考えや行動を変えず、自分のスタイルを持っているのが特徴です。

しかし、だからこそ柔軟さに欠け、部下の考えを否定してしまったり、自分のやり方にこだわってしまったりすることも・・・・・・。

そうならないために、まずはリーダーとして育てたい人の価値観や信念について、じっくり話を聴くようにしましょう。

セルフモニタリングが低い人は、上司が自分の考えに耳を傾け、理解しようとしてくれたことに喜びを感じます。

すると、自分がリーダーになったときも、部下や後輩の意見を聴こうという気持ちになるのです。

・セルフモニタリングが高い後輩とコンビで行動させる

ただし、セルフモニタリングが低い部下の意見をすべて受け入れると、「自分はこのままでいいのだ」と思い、より頑固になってしまう場合があるので注意してください。

「◯◯さんの考えはわかった。だけど、こういう考え方もあるよ」というように、違う視点から物事をとらえられるように導くといいでしょう。


また、視野を広げるためには、その人とまったく違う性格や価値観の人とコンビを組ませるのも有効です。

セルフモニタリングが低い部下がコンビを組んだ人に対して不満を持っているようなら、「なぜ、あの人はこんな行動をとるんだろう?」とその人になりきって考えるように指導しましょう。

そうして相手の内面に関心を持つことで、他者への理解が深まるからです。

また、自分が持たない部分を補い合うことができるので、違うタイプの人ともうまく関係を築けるようになります。

部下がリーダーになることを想定して接することで、その人の個性を尊重するだけでなく、リーダーとしての資質を伸ばせますよ。

部下育成

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