職場で起こりやすい「錯覚」を上手に活用する方法

12月が近づいてくると忙しくなり、職場内はピリピリムードに。
「どうして自分ばかり、こんなに仕事をしなきゃいけないの?」と、不満を感じる人もいるのではないでしょうか。

忙しいときは周囲の人とコミュニケーション不足になり、ミスが増えるなどの悪循環に陥ることがあります。

ですが、忙しいのは本当に自分だけなのでしょうか?
それは、錯覚だということはありませんか?

今回は、職場で起こりやすい錯覚の解説と、それを上手に使う方法をお伝えします。

・自分だけ仕事が多いのは事実? それとも錯覚!?

責任感が強い人や自分よりも相手を優先する人は、多くの仕事を抱えてしまう傾向があります。

最初は気軽に仕事を引き受けていても、次第に、「自分は同じチームの人のために働いているのに、周囲の人は協力してくれない」と感じるようになることも・・・・・・。

だけど、それは事実でしょうか?


他人と自分の理解度を比べた心理実験があります。

被験者には、次の4つの質問に答えてもらいます。


1. あなたは自分がどれくらい人見知りをするか、正しく理解していますか?

2. 職場の人はあなたがどれくらい人見知りなのか、どれくらい正しく理解していると思いますか?

3. 職場の人はその人自身がどれくらい人見知りをするのか、正しく理解しているでしょうか?

4. あなたは職場の人がどれほど人見知りなのかを、正しく理解していると思いますか?


すると、自分が相手を理解している度合い(質問4)のほうが、相手が自分を理解している度合い(質問2)よりも高いと思っているという結果になりました。

ですから、「自分はこんなに頑張っているのに、周りの人は何もしてくれない」と思うのも、実は錯覚かもしれません。

それが錯覚なのか、それとも事実なのか検証するためには、仕事を「見える化」するのが効果的です。

チームで取り組むべき仕事を書き出し、誰がどんな仕事を担当しているのか客観的に見ます。
そのうえで、話し合って役割を分担することで、ひとりの人の負担が大きくなることを防ぎ、「自分ばかり仕事をしている」という不満を取り除くことができます。

・好成績がもたらす、「良い錯覚」とは?

心の錯覚は悪いことばかりではなく、こんな良い効果もあります。

同じチームに好調な人が1人いると、その人に影響されてほかの人の成績も上がるという研究結果があります。

ですから、部下や後輩のモチベーションを上げたいときは、調子が良い人だけを褒めるのはNG。
「このチームは好調だ!」というムードを作れば、ほかの人の成績にも良い影響を与えます。


この2つの錯覚と活用法が、より良い社内環境作りの参考になればうれしいです。

心理学活用

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