ミスして落ち込む部下を励ます言葉のかけ方
仕事をしていれば、誰にでもミスはあるものです。
ところが、すぐに気持ちを切り替えられる人もいれば、失敗を引きずってしまう人もいます。
ミスを引きずって自信をなくしてしまったり、仕事に対する意欲を失ったりすることもあるので放っておけませんよね。
そこで今回は、落ち込んでいる部下や後輩に励ましの言葉をかける方法をお伝えします。
・失敗すると落ち込んでしまう心理とは?
自分が思うほど、人はミスしたことを覚えていないものです。
それを証明する心理実験があります。
教室にいる5人の学生に、紙に書かれた質問に回答するように指示をします。開始から5分経った頃、教室に1人の学生が入ってきます。
その学生は、5人の学生の前に立たされます。
遅刻した学生は、過去の大スターの顔写真がプリントされた、着るのが恥ずかしいTシャツを着ています。
その後、遅刻した学生は教室の外に出されます。
同じ実験を複数のグループで行った結果、教室に残った5人のうち、そのTシャツに気づいたのは平均して5人中1人(20%)でした。
一方、遅刻した学生に、「何人がTシャツに気づいたと思うか?」と尋ねたところ、平均2.5人(50%)でした。
この実験から、人は自分が思っているほど自分に注目していないことと、失敗をした人は実際よりも注目されていると感じることがわかります。
・失敗を引きずってしまう人は、実は自信家!?
こうなるのは、自分の行動や失敗、外見などが人からの注目を浴びていると思い込んでしまうからです。
このように自意識過剰になり、「人はきっとこう思っている」と偏った見方をすることを、自己中心性バイアスといいます。
「あんな失敗をしたのだから、合わせる顔がない」と思うのは、自分が注目されていると感じているからです。
この傾向がある人は、客観的に物事をとらえるのが苦手で、「こんなに頑張っているのに評価されない」と不満を感じたり、根拠のない自信を持ったりすることもあります。
・励ましの言葉+具体的な解決策を考えよう!
落ち込んでいる人を励ますときは、「人は自分ほどミスを気にしていない」ということをまずは伝えましょう。
そのうえで、「今度はどうすればうまくいくか?」という具体的な方法を考えます。
ただし、ミスをして落ち込んでいる人の意見は否定しないことが大事です。
「その方法よりもこちらの方がいい」と言うと、より仕事に対する自信を失ってしまうからです。「その方法もいいね」と、肯定するように心掛けてください。
同じ失敗をしないための方法が見つかったら、「◯◯さんなら、次はきっと大丈夫!」と励ましましょう。
根拠がなくても自分に自信がある人は、「優秀だから、次は失敗しない」という暗示にかかりやすい人でもあります。こうして自信を取り戻すと、落ち込みから回復します。