人を育てる褒め方、叱り方
4月に入社したばかりの新入社員や異動してきた人とは、早めに信頼関係を築きたいですよね。
ところが、まだ相手の性格を把握していないうちに業務上のトラブルが発生し、その人を叱らなければならなくなった・・・・・・。
そんなとき、あなたならどうしますか?
今回は、人を育てる褒め方と叱り方についてお伝えします。
・追い打ちをかけるのはNG! 叱るときは「気分」に注目する
ちょっとしたミスを指摘しただけでふてくされる新入社員。
そんな態度を見ると、「そんなことじゃ、社会でやっていけないよ」とさらにお説教したくなり、余計に機嫌が悪くなってしまった・・・・・・。
それは、こんな心理が働くからなんです。
AとBという2人の被験者に性格診断を行いました。
性格診断の結果に関わらず、Aには「あなたの性格は素晴らしい! 非の打ち所がありません」と伝えます。
一方、Bに対しては、「あなたの性格は欠点だらけです」と伝えた後に、2人に同じ人物の評価を読ませました。
その結果、印象に残っている評価を2人に尋ねると、Aは「優秀である」といったプラス面、Bは「冷たい」などのマイナス面を挙げました。
・叱った後に褒めても響かない・・・・・・うまくフォローする方法とは?
この実験からわかるのは、人はそのときの気分に合わせた情報を集める傾向にある、ということです。
これを、「感情一致効果」といいます。
ですから、ミスを叱った後にお説教をすると、より叱られたことが記憶に残り、失敗を引きずってしまうのです。
もしくは、その人はあなたのことを、「自分のことを否定する怖い上司」だと思うようになるかもしれません。
だからといって、叱った後に褒めても、その人の感情に一致しないのであまりうれしくないでしょう。
感情一致効果をうまく活用するためには、その人が喜んでいるときや前向きになっているときに褒めたほうがいいといえます。
では、叱った後にうまくフォローする方法はというと・・・・・・、相手に考えさせるのがおすすめです。
ミスが起こった原因や同じミスを起こさないようにする対策を、ミスをした本人に考えさせるのです。
・ダメ押しのひと言は、褒め言葉よりも自分の気持ちを伝えて
そうして、「次からこうすれば叱られない」という答えがわかれば、前向きな気持ちになってきます。
失敗の原因と対策を最後まで聞いた後に、「誰にでも失敗はあるけれど、その対策を聞いて安心した。これからは期待しているよ!」とあなたの気持ちを伝えれば、良い関係が築けそうですよね。
「気分(感情)」に注目した褒め方と叱り方を、部下や後輩とのコミュニケーションで活用していただけるとうれしいです。