自己効力感を上げる「メタ認知能力」の使い方
頑張っているのに周りの人が認めてくれない。
そんな不満を感じることはありませんか?
それは、周りの人とあなたの間に認識の差があるからかもしれません。
今回は、物事を客観的にとらえる「メタ認知能力」について解説します。
・2つのメタ認知能力とは?
「ダニング=クルーガー効果」とは、能力が低い人ほど自己評価が正しくできず、過大評価する傾向のことです。
周りの人が正当に評価してくれないと感じるのは、自分を過大評価している可能性があるということです。
それに対して、自分自身や状況を客観的にとらえる能力を「メタ認知能力」といいます。
これには2つの働きがあります。
1つ目の「モニタリング」は、自分自身を監視し、理解、分析する力です。
2つ目の「コントロール」は、モニタリングの結果からどのような行動や反応をするか決める力をいいます。
メタ認知能力が上がると、自分自身を第三者のように冷静に見ることができます。
そのときの感情や状況を客観的にとらえ、どのような行動をとるのか落ち着いて判断できます。
・メタ認知能力が上がると、自己効力感が下がる!?
「ダニング=クルーガー効果」を提唱したダニングとクルーガーは、メタ認知能力に関する実験を行いました。
140人の大学生を4~20人のグループにわけて論理問題に回答させます。さらに、回答後に自分の評価と順位を想像させました。
次に、ランダムに選んだ70人に論理問題のトレーニングを行い、残りの70人には関係のない課題を与えました。
その後、両方のグループに論理問題を出題し、自分の回答の正誤を予想させました。
すると、論理問題のトレーニングをした70人は、自分を過大評価する傾向が低くなりました。
・メタ認知能力も自己効力感もアップさせる方法
論理問題のトレーニングをした人が自己評価を下げたのは、トレーニングを行ったことによって自分の本当の成績や能力を知ったからです。
メタ認知能力が上がると現実が見えます。すると、これまで持っていた自信を失い、自己効力感が下がってしまう場合があります。
自己効力感を下げず、メタ認知能力を上げるためには、自信過剰になっている分野で努力することがなによりも大切です。
そして、周りの人からの適切な評価やフィードバックをもらうことで能力が向上します。
たとえ耳が痛いことを言われても素直に受け入れ、自分の認識を修正することで自己評価と周囲の人との評価に差がなくなるはずです。
自己効力感は根拠のない自信によって上げられるものです。
ですが、実力をつければ揺るぎない自信が手に入り、自己効力感がさらにアップするはずです。