「自己効力感」を高めて、自信を回復させる方法
抑うつ状態になると、「自分には能力がない」と落ち込んだり、「自分には価値がない」と思ったりするようになります。
すると自分に自信が持てなくなってしまいます。
自信を回復するために必要なのが、「自己効力感」です。
ただ、気力だけで「やればできる!」と信じるのは限界がありますよね。
今回は、自己効力感を高める方法についてお伝えします。
・自尊感情と何が違う? 「自己効力感」とは?
「自己効力感」とは、自分はある状況において必要な行動をうまく遂行できるだろうと、自分自身の可能性を認知していることをいいます。カナダの心理学者であるバンデューラが提唱しました。
「自尊感情」とは、自分を信じていること、または周囲の人から「信じている」という評価をされたときにわきあがる感情をいいます。
それに対して自己効力感は、目標を達成する能力が自分にあるという認知を指します。
この2つに違いはあるものの、自尊心を持っている人は自分自身の能力を信じているため、難しい課題にも前向きに取り組みます。成功すると自尊心がさらに満たされ、自己効力感も高まるという良い循環が起こります。
・自己効力感を高めるために、自分自身ができること
まずは、「達成経験」を積むことが自己効力感を高めるために最も重要だといわれています。
達成経験とは、何かを達成したり、成功させたりした経験です。
この経験をするためには、小さな目標に取り組むことから始めるといいでしょう。
抑うつ状態で自己効力感も自尊心も持てないときは、たとえ簡単な課題であっても達成することに意味があります。
また、自分自身で行動を起こすのが難しい場合は、自分や誰かの成功体験を想像します。これを、「想像的体験」といいます。
たとえば、うつ病から回復して社会で活躍している人の体験談を読み、「自分もこうなれるはず」と想像するといったことです。
・周囲の人ができる自己効力感を高める言葉がけ
周囲の人からの励ましや承認も、自己効力感を高める要因となります。
ただし、「あなたならきっとできるから頑張って!」と言われるとプレッシャーを感じることもあるので、抑うつ状態の人に励ましの言葉をかけるときは注意が必要です。
自己効力感を高めるためには、その人がしてくれたちょっとした行動にお礼を言ったり、「こういうところがいいね」と具体的に褒めたりする(承認する)といいでしょう。
すると、「次もやってみよう」という気持ちになり、自分自身に対する認知が変わり、次第に自己効力感が高まっていきます。