学校ワークライフバランスシンポジウムレポート

2017年12月26日に神戸で開催された「学校ワークライフバランスシンポジウム」で、現在お手伝いさせていただいている大阪府高槻市の北大冠小学校の教職員の働き方改革の事例が紹介されました。

そのシンポジウムでのお話を一部抜粋。

教職員の働き方改革に取り組む前は、長時間労働が当たり前で、時間に対する意識がない働き方をしていたが、働き方改革に取り組むことにより、取組1ヶ月後から教頭は残業時間37%減。その他、教職員も平均9%減を実現する。

先生方が働き方改革のアイディアを思いついたら、そのアイディアを共有できるように職員室にアイディア付箋を貼れるアイディアボードを設置し、ボトムアップで働き方改革の取り組みを実施していく。

アイディアボード自体のアイディアも先生方との対話から生まれた。

色々なアイディアが働き方改革の取組中に出ました。(下記、一部アイディア抜粋)

  • 2日間の予定の見える化(職員室に設置)
  • 学年会の質向上(事前の議題の共有やタイムキーパー)
  • 教室の鍵の統一(鍵を取りに行ったり来たりする時間削減)

【北大冠小学校の校長先生から一言】

「この取り組みは授業と相性がいい。時間を生むだけのつもりだったが、教育課程を見直すことになるので、学校を一から見直すことになった。」
「手を抜くことじゃなく教育の質を高めることにつながる。」

【代表の服部からお伝えしたメッセージ】

働き方改革を始める前に、先生方にヒアリングをした際に良い意見が出たので、
「是非その意見を周りに言ってください」
と言うと、
「そんなこと言ったら、悪者になるから」
と返答がありました。
企業の働き方改革も学校の働き方改革も、何でも言い合える風土が改革のベースをなることをお伝えしてきました。

【シンポジウムの所感】

現役の小学校の先生から保護者、行政の方々まで幅広い方が参加してくださいました。
高槻市の事例だけではなく、日本全国の事例もあり、また参加者の皆様の様々な立場からパネルディスカッションも行われ、参加していた現役の小学校の先生からは、「本当に参加してよかった。今まで受けてきた研修の中で一番充実していたかも。」という嬉しいお言葉もいただきました。
シンポジウムの定期開催の必要性を感じました。

【最後に、学校の働き方改革を支援する理由】

生きがい・働きがいに焦点を当てた組織風土改革を得意としていますが、学校の働き方改革にも力を入れている理由としては、

幼児期や小学生の時期には人格形成のための大切な発達段階がいくつも存在します。
そんな重要な時期にどのような環境で過ごすかは、人格形成に大きな影響を与えます。

子どもにとって、親以外で毎日顔を合わせる大人と言えば、学校の先生があげられます。
子どもにとって、親の影響は大きいですが、子どもの身近な大人代表として学校の先生の影響も大きいのです。

しかし、現状学校の先生の長時間労働や職場環境の変化によりメンタル不調を起こす先生の数も増えています。
先生も人間。時間や心に余裕がなければ、子どもを信じて、待って、見守ったりすることが難しく感じることでしょう。

子どもたちにより良い教育環境を提供し、
次世代の子ども達のために、学校の働き方改革の推進は急務だと確信しているからです。

「大人が変われば、子どもが変わる。子どもが変われば、社会が変わる。」

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